産業としての課題から企業による精密機械の取り扱いを考える
精密機械製造に当たり企業に求められるもの
精密機械の製造には精密機械が必要不可欠です。
一見すると矛盾した表現かもしれませんが、実態には即しており精密機械は精密な機械装置によって構成される関係上、製造に際して精密な部品を要するために精密機械が欠かせません。
よって、精密機械の製造を行うには精密機械の導入が必要で、精密機械の製造を手掛ける企業は精密機械を構成する精密機械装置の精密部品を製造ないし購入しなければならず、精密機械と精密機器の運用の関する専門的な知識を有した人材や精密機器による作業を行う人材に加えて、作業を行う工場ないし工房、それらを賄うための資金が求められることになるわけですが、これらはあくまで前提条件であり、ノウハウの蓄積も無しに精密機械の製造に携わることは難しいものがあります。
日本企業による精密機械開発が難しい理由
日本は技術立国を謳ってはいるものの先進各国と比べると、各種研究分野への投資が十分に行われているとは言えず、製品開発の起爆剤的な役割を果たす技術開発での競争力は諸外国に後れを取ってしまっているため、精密機械を含む開発分野において劣勢にあります。
開発分野の人材が育ちにくいために、技術開発一本で経営が可能な企業がほとんどないこともあって、開発研究が行われながらも実用に至らなかったケースが少なからずあるなど、日本で精密機械の開発を取り扱うことは至難を極め、国内で技術開発において成果を上げることに成功している企業は、独自のノウハウの蓄積を研究に結び付けることに成功した非常に優れた企業であると言って差支えありません。