日本の精密機械産業の状況と日本企業のアドバンテージ

日本における精密機械関連企業の状況

製品製造のような技術的ノウハウの蓄積が容易な分野の中でも、精密機械や自動車の本体に当たるハードの製造技術に日本は優れており、ハードに限って言えば世界の市場にも十分に通用するレベルの水準を誇り、精密な加工を突き詰めた超精密加工技術の発達に加え、微細加工技術の開発環境が整っているなど、ハード面の開発能力に秀でた企業が多く、製品化技術における国内企業のノウハウに裏づけされた技術力の高さは特筆すべきものがあります。

他方、精密機械と自動車にとってある意味ではハード以上に重要なソフト開発に関しては、国としての開発環境が整っておらずトップ層の後塵を拝していると言わざるを得ず、国内企業も苦戦を強いられているのが実情です。

精密機械産業における日本企業の強み

既に触れたように、精密機械産業における日本企業の強みは、長年の製造ノウハウの蓄積によるハード開発能力の高さで、日本で製造された製品が全分野とは言わないまでも様々な分野で世界に通用するレベルを持つことからも、日本企業のハード開発能力の高さには疑いの余地はありません。

よって、少なくとも国家的にソフト開発の環境整備が進められるまでは、高いハード開発能力という日本企業の強みを生かして国際競争を生き抜くことがベターで、精密機械製造に関して言うなら、超精密加工技術による超精密部品及び超精密機器の加工や開発途上で断念した製品の再開発、開発環境の整った微細加工技術を用いた他国の追随を許さない精度での部品開発などが選択肢として挙げられるでしょう。